youtubeなどでデッサンの仕方を教えている人の中には、
最初から白抜きの部分、白黒の濃淡を一回で捉え描き分けている人がいて、
これこそ、絶対音感ならぬ、絶対観感?(そんな言葉ないけれど)の持ち主で
天才なのだろうと思う。
そうした動画をみれば見るほど、こんな感覚で最初から捉え描けたらどんなに楽しいだろうか、と思ったり(笑)する自分がいる。
デッサン作品4作目。
今までで一番難しいエスプレッソメーカー。形取りは、満足するものになったけれど、重たい金属感をどう表すか。
いつも通り、このモチーフで一番暗いもの(リボン)、明るいもの(テニスボール)
その間の色合いのもの(エスプレッソメーカー)をバランスよく捉え、重たさ、硬さ、素材感などを一旦無視し(笑)、まずは一度濃淡だけをつける。
素人には、これでもういいんじゃない?と思ってしまうが、
先生曰く、ここから書き込みが始まるとのこと。
今まで教わったテクニックを使い、まずは、練りケシ(消しゴム)をゴロゴロさせ、
重ねおいた鉛筆の暗さを全部消す。
明暗をここまでしっかり書き込むのも時間をかけてやったのに、それらを「消す」という作業に躊躇してしまうが、やるしかない。
2回目の教室で、この技を教えてもらったけれど、ここからは消して、硬い鉛筆に変えて、画用紙の穴を埋めながら、硬さや柔らかさなどの素材感を表現していく。
練り消しで消すと、一気に薄くなるが、鉛筆の記憶はちゃんと紙に残っており、
それらが、重厚感や深み、リアルさを演出してくれる。
要は、消すと分かっていても、しっかりと鉛筆で明暗をしっかり入れることが重要だという事。
面白いなと改めて。
鉛筆の記録が深みとなる。
人生もそうだな、と改めて。
本で誰かの経験は読め、疑似体験もできる。
だけど、しっかり自分の体験として刻み、一旦真っ黒になったとして
そこから消して書き換えをしても、過去の記録は厚みや重厚感、奥深さとして絵を支える。
真っ黒にすることも、一旦後退したと錯覚しながらも消してしまうことも、
どれも無駄ではない。
1枚目は、消しゴムで消す前のもの。
2枚目は、消しゴムで消した後、硬い鉛筆で書きこんだもの。
この1枚の変化に2時間要している(笑)
1枚目のまま終わらなくて良かった。洗練されたし、しっかり重み・深み、素材感の違いが感じられる。
書き込みはもっとやればやれるのだろうけれど、今回はこのあたりで完成ということで、来週からは5作品目に入る。
次は何のモチーフを書こうかな。